[前回の気まぐれ競技参戦記] 5年ぶりに参加したクラブチャンピョンシップ。まぐれパット連発で、薄氷を踏みつつも予選を突破したGolftat。戦いは次ステージ、マッチプレイに突入する・・・
マッチプレイ編 決勝第一ラウンド 対Mさん
第1章:マッチプレイ
予選16位までが決勝のマッチプレイに進む。マッチは、予選の合計順位が17になるように組まれる。決勝第一ラウンド、予選13位の私の相手は、予選4位の Mさん。 ほぼ面識はない。予選で見たスイングと、他の選手との会話で、かなりの上級者とわかる。クラブ競技の成績でも頻繁にお見かけするので、現役バリバリ実力者のはずだ。HCはたしか4か。対するGolftatは5年ぶりの競技復帰。このクラブでHC7をもらったのは12年も前。今年のラウンドは9回目、最近のスコアから言って、疑惑のシングルだ(笑)。
第2章:マッチの戦術
レイモンドフロイドによるとマッチプレイの基本戦略は、パーを取り続けて相手が崩れるのを待つことだという。確率的にはマッチプレイでもトータルスコアが低い選手が9分9厘勝つ。だから自分から崩れないように。だがこれは、実力が拮抗している場合の戦略だ。実力差が明白な場合は下位者が何か仕掛けないとないと始まらない。普通にラウンドしたらトータススコアでは負ける。ということは、普通にプレーされるのが一番困るのだ。
しかし、戦略・戦術といっても、テニスやサッカーのように直接対戦相手と対峙するわけではないゴルフでは、出来ることは限られる。序盤で攻撃的に行ってアップを取り、焦らせるくらいか。マッチでは、負けても1ホール取られるだけなので、何打打っても同じだ(ギブアップするから10とかにはならないが)。普段はダボを減らすように計画するのだが、今日は、3パットしてもOBを打ってもいい。バーディ・パーを多くとれるように攻撃的に行ってみよう。
第3章:美しいゴルフ
「OKです。」
1番ホールパー5。規定打数で乗せ、第一パットを寄せたMさん。教科書通りのパーだ。
Mさんのゴルフはドライバーからパットまで完成された感じ。フォームは合理的で無駄がない。シニアプレイヤーのお手本のような打ち方だ。バックスイングは前傾が保たれ、ややゆっくり等速でシャフトが水平の少し手前までスッと上がり、切り返しで力みがない。トップでもダウンでもあまり上体を捩じらないので、体への負担も少なそうだ。ダウンのプレーンと加速感も自然。急激に力を加えるポイントがないため、フィニッシュで足がバタつかず、バランス良く立って打球を見ている。コースでこれが出来る人は少ない。それでいてヘッドも走っている。ドライバーは、ヘッドスピードは私の方が速いのだが、同じくらい飛ぶ。私は当たりにムラがあるのか平均飛距離では負けている。ウエッジもパットもキホン通りのセットアップとストローク。全てのショットが美しい。これは、手強い(笑)
第4章:嚙み合わせ
「OKです。」
1番ホールパー5。規定打数で乗せ、第一パットを寄せたMさんに私は言った。
Golftat、寄せきれず残り4メートルのパーパット。左横から、ちょっと嫌な感じのスライスライン。
「うーむ」 私は考えた。
攻撃的に行くはずが、いきなり入れなければ負け、守備一辺倒だ(笑)これは入らなければ何パットでも同じ。そう考えると、オーバーして3パットとか考えなくてよいから気が楽だ。ここはラインを殺して強めに行くしかないな。
カツン。しっかり打ったパットは、ピンに当たって止まった。
2番パー4。 Mさん 右プッシュしたセカンドショットがOBとなり、私ワンアップ。3番パー3。ここも私がきわどいパーパットを決め、分け。
4番最難関のパー4。私スリーパットで負け、マッチイーブン。
6番、ここも私が先に長いパーパットを打って決める。Mさん、1.5メートルを外し、私ワンアップ。
1番が流れを決めたようだ。ショットは私が打ち負けているのに先にパットを決めて分ける・アップというMさんにとっては、じれったい流れ。
しかし、Golftat 8番、9番で連続OBを出し、一気に形勢逆転。Golftatワンダウンで後半へ。
第5章:女神はささやく
10番、Golftat 3打目ピッチショットがチップインし、マッチイーブン。
11,12,13、どのホールも2打目を打った時点で私の方がMさんよりピンから遠い。ショット力には明確な差がある。しかしGolftat ワンパットでしのぎ、なんとかMさんに食らいつく。
14番、Golftatティーショットを右にOB。ワンダウン。粘ったが、さすがにここまでか。
15番長いパー3。Mさん右に、Golftat 左に外す。Mさん、めずらしくピッチショットがショート、残り10ヤード。Golftat グリーンまで5ヤード、ピンまで20ヤード。この簡単なチップをチョロ、グリーンに乗らず。小技で本日初めての大きなミスだ。もう一度PWでピッチ&ロール。ここ1か月練習してきた基本ショットだ。今度こそ。
「パターで打ちなさい。」 えっ?
「パターであのくぼみに向かって打ちなさい。」 と、どこからか声が聞こえる。ふと見るとカップの2メートル向こう、50センチ左に、ピッチマーク跡が見える。グリーン左からの登り、グリーン外からだから、カップを狙うとすればあそこになるわな。
ちょっと待て、これって、「ラインが見える」ってやつか。
カツン。パターで強めに打たれたボールは、きれいにスライスし、ピンの真ん中に当たった。再びマッチイーブン。
(これはもしかして行けるかも。)
私の中に根拠のない自信が湧き始めた。
第6:キングスポイント
イーブンで迎えるマッチプレイの17番ホールは、最も重要なホールである。17番でイーブンということは、当日の調子からいって、勝負は互角。ここで勝ち負けがつくと、残り1ホールで、「ドーミーホール」となる。つまり、ダウンを喫したプレイヤーは、18番、勝たなければ負け。引き分けでも負け。テニスで言うと、ゲーム4-4, ポイント30-30のキングスポイント。ここを抑えれば、一気に優位に立てる。逆にここでダウンを喫した選手はイーブンから突然崖っぷち、強烈なプレッシャーがかかるのだ。
セカンドを終わって、いつものように、Golftatが遠い。左3ヤードほど外しピンまで20ヤード。Mさん、グリーンをわずかにオーバーして、ピンまで15ヤード下り。
ここでGolftat奇策に出る。 前ホールにならって、パターで打ったのだ。
これが当たり、OKパー。Mさん、寄せきれず、ボギーでダウン。
第7:結末
18番パー5 ドーミーホール。お互い3打で乗せる。例によって私が遠い。6メートル登り、ナイスタッチで左40センチへ。傾斜がきついので、コンシードするか微妙な距離だ。
「OKです。」と潔くMさん。 次のパットを沈めるぞと言う気迫が伝わってくる。
3メートルフックライン。ボールはラインに乗って、カップを目指す。最後にわずかに、下に外れた。
勝負を分けたのは、パットだった。私の後半9ホールは、チップイン2回、10パットだった。ラウンドを通じ、ワンピンからツーピン位のパットを4-5回決めてそれらのホールを分けた。Mさんは、決めればホールを取れる1.5メートル位2回外した。ストロークプレイでは目立つミスではないけれど、「ここは決めなきゃ」というパットが外れるとマッチプレイでは流れに大きく影響する。ショットでは完全に打ち負けていた。いつも3打目を先に打った。でも、お互いダボのほとんどない、絞まった良い試合だった。
Mさん、当クラブでのHCは6だそうだ。それにしてもドライバーからパターまで実に美しいMさんのゴルフ。現役のHC6ってこんなに完成されているのか。
またまた薄氷を踏み、奇跡的な勝利で第1ラウンドを勝ち抜いたGolftat。
気まぐれ競技ゴルフ 2022クラチャン マッチプレイ編 第2ラウンドに続きます。
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